出口戦略
買ったものを売り、売ったものは買い戻す、これをしないとトレードは終わりません。出口戦略を考えないと利益も損失も確定させることはできません。出口戦略を考える場合、必ずコストを含めたうえでプランを立てることが大切です。
為替取引に必要なコストは3つあります。ひとつは売り買いのスプレッド。為替保証金などで提示されている為替レートは、115・20-115・25という感じで外貨の売値と買値が同時に提示されます。米ドルの場合、これは投資家の側から見れば1ドル=115円20銭でドルを売れる、1ドル=115円25銭でドルを買えるという意味です。両者の差額(スプレッド)である5銭が、ドルを売り買いするのに必要なコストになります。
次が為替手数料です。外貨を売買するのに必要なコストで、外国為替保証金会社や銀行によって異なります。1ドルにつき10銭のところもあれば、外貨預金の場合だと1ドルにつき2円取る場合もあります。
最後に心理的コスト。これは、判断のタイミングのずれによって生じるコストのことです。買いで入った場合、相場が上昇しているときは利食いを、相場が下落しているときは損切りをしますが、人間に心理として、利食いは早く、損切りは遅くなる傾向があります。
たとえば、1ドル=120円までドル高が進む余地があるのに、それよりも手前の1ドル=118円で利食いをしてしまいます。逆に損切りをする場合、1ドル=115円で損切りの売りを出せばいいのに、判断が遅れて1ドル=113円でようやく損切り出来たという事態になります。
勝ち負けが五分五分の勝負をしているとコストがある以上、結局負けてしまいます。勝率5割、6割でも金額ベースで勝てるようにするためには、例え負けたとしても、損失額を小さく抑える必要があります。